サーバー移設で起きやすい失敗と対策|データセンター移設の注意点
2026.02.06

BCP(事業継続)強化、セキュリティ向上、コスト最適化――。
サーバー移転や移設は、企業IT基盤の信頼性と競争力を左右する重要プロジェクトです。一方で、計画不足や依存関係の見落としからシステム停止やデータ損失が生じるケースも少なくありません。本記事では、よくある失敗例とその原因、さらに移設前の必須チェック、移行計画費用の目安、業者選びの基準まで失敗しない移設の実践手順を徹底解説します。
「サーバー移転時の失敗要因と回避するための事前チェック」
| 原因 | なぜ起きるのか | 主な対策 |
|---|---|---|
| ①データ整合性の欠落 | 移行計画・検証工程の不足/データ依存関係の把握不足 | データ構造・処理フロー整理/段階的移行と検証/ハッシュ値・ログによる確認 |
| ②バックアップ不足 | バックアップ範囲・取得タイミングが曖昧/復元手順未確認 | システム・データ双方の完全バックアップ取得/復元手順の事前確認/役割分担の明確化 |
| ③業者選定の誤り | 実績・専門知識不足/要件認識のズレ/コミュニケーション不足 | 実績・技術力・サポート体制の確認/対応範囲・責任分担の明確化 |
| ④業務継続性の準備不足 | 代替環境・切り戻し手順未整備/事前リスク整理不足 | リスク洗い出しと移設計画策定/構成調査・優先順位決定/本番前シミュレーション/運用準備 |
| ⑤要件定義の曖昧さ | 性能・可用性・セキュリティ要件が未定義 | 業務要件の数値化/要件定義の文書化/成功判定基準の明確化 |
| ⑥DNS設定ミス | TTL設定不適切/DNS更新タイミング不備 | TTL事前調整/DNS切替計画管理/切替リハーサル/並行稼働 |
原因①データ整合性の欠落とその対策
なぜ起きるのか
サーバー移転時にデータ整合性が失われる主な原因は、移行計画や検証工程の不足にあります。移行ツールの設定ミスや、移行後の確認作業が不十分なまま本番切り替えを行うと、データの欠損や不整合が発生しやすくなります。特に、複数のアプリケーションが同一データを参照・更新している環境では、データ間の依存関係を正しく把握していないと、更新漏れや不一致が起こる可能性があります。
対策:データ移行と整合性確認の要点
データ移行後は、事前にデータ構造や処理フローを整理し、段階的な移行と検証を行うことが重要です。ハッシュ値の比較やログ確認などを行うことで、データの欠落や破損を早期に検知できます。また、業務停止時間を短縮するためには、段階的な移行や冗長構成を取り入れ、本番切替前後で十分な確認時間を確保することが重要です。移行作業と検証作業を切り分けて設計することで、移転品質の向上につながります。
原因②バックアップ不足とその対策
なぜ起きるのか
サーバー移転においてバックアップが不十分な場合、最新データが復元できない、障害発生時に切り戻しができないといった重大なトラブルにつながります。また、バックアップの取得範囲やタイミングが曖昧なまま作業を進めると、復旧作業が長期化し、業務への影響が拡大する恐れがあります。
対策:完全バックアップ取得と復元確認
サーバー移設を行う前には、システムおよびデータのバックアップを取得するだけでなく、実際に復元できるかどうかを事前に確認しておく必要があります。バックアップが取得されていても、復元手順が整理されていなければ、障害発生時に切り戻しができず、結果として業務停止が長期化する恐れがあります。
また、移設作業中や障害発生時に対応が滞らないよう、誰がどの作業を担当するのかを事前に決めておくことも重要です。あわせて、移設対象となるシステムやデータの範囲を整理し、システム間の依存関係を把握したうえで、バックアップの取得対象と保管方法を決定します。可能であれば、バックアップは異なる拠点に分散して保管し、復旧作業を迅速に開始できる状態を整えておくことが望まれます。
原因③業者選定の誤りとその対策
なぜ起きるのか
サーバー移転では、業者選定の判断が移転全体の成否を左右します。移転実績や専門知識が不足している業者を選んでしまうと、設計段階での見落としや、想定外のトラブルが発生しやすくなります。また、要件の認識違いやコミュニケーション不足により、期待していた対応が受けられないケースもあります。
対策:信頼できる業者を選定
サポート範囲、責任分担、障害時の対応体制を事前に確認し、価格だけでなく品質や体制を含めて総合的に判断することが重要です。サーバー移転の成否は、業者選定によって大きく左右されます。過去の実績や技術力、サポート体制を総合的に評価し、コストと品質のバランスが取れているかを確認することが重要です。また、要件定義から移転完了までを通じて円滑なコミュニケーションが取れる体制かどうかも重要な判断材料です。対応範囲や責任分担を事前に明確にすることで、作業中の齟齬や対応遅延を防ぐことができます。
原因④業務継続性の準備不足とその対策
なぜ起きるのか
サーバー移転時に業務継続性への配慮が不足していると、障害発生時に長時間の業務停止や混乱を招く恐れがあります。代替環境や切り戻し手順が整備されていない場合、復旧までに想定以上の時間を要することがあります。
対策:業務停止を前提に考える移設計画
業務継続性を確保するためには、障害が発生する前提で移設計画を立てることが重要です。ダウンタイムの許容範囲を明確にしたうえで、冗長構成や段階的な移行、夜間・休日を活用した作業計画を取り入れることで、業務への影響を最小限に抑えることができます。また、切替後に問題が発生した場合に備え、速やかに切り戻せる状態を維持しておくことも欠かせません。
【業務継続性を確保するための実務ポイント】
- 停止時の業務影響が大きいシステムの把握
移設前に、停止した場合に業務へ大きな影響を与えるシステムや機能を整理しておくことで、想定外の業務停止を防ぐことができます。 - 業務影響度を基準にした移行順序の決定
影響度の低いシステムから段階的に移行することで、移設全体のリスクを分散し、安全に作業を進めることが可能です。 - 切り戻し判断と手順の事前整理
トラブル発生時に、どの時点で切り戻すのか、誰が判断するのかを明確にしておくことで、復旧対応の遅れを防げます。 - 本番を想定した移行リハーサルの実施
事前に移行手順を検証しておくことで、業務停止時間や復旧までの所要時間を把握できます。 - 移設後を見据えた運用体制の整備
監視や障害対応の体制を事前に整えておくことで、移設直後のトラブルにも迅速に対応できます。
原因⑤要件定義の曖昧さとその対策
なぜ起きるのか
性能・可用性・セキュリティなどの要件を明確に定義しないままサーバー移転を進めると、後工程で仕様変更が頻発し、スケジュールやコストが膨張する原因になります。
対策:業務要件の明確化と文書化
移設後のトラブルを防ぐためには、性能・可用性・セキュリティといった業務要件を可能な限り数値で定義し、文書化することが重要です。要件が明確になることで、移設後の成功判定基準が明確になり、関係者間の認識ズレを防ぐことができます。
原因⑥DNS設定ミスとその対策
なぜ起きるのか
移設後のトラブルを防ぐためには、性能・可用性・セキュリティといった業務要件を可能な限り数値で定義し、文書化することが重要です。要件が明確になることで、移設後の成功判定基準が明確になり、関係者間の認識ズレを防ぐことができます。
対策:DNS設定の正確性を確認
DNS設定は、サーバー移転時にトラブルが発生しやすいポイントです。TTLを事前に短く設定し、キャッシュ更新を促進するとともに、DNSレコード更新のタイミングを計画的に管理する必要があります。切替前にリハーサルを行い、旧サーバーとの並行稼働期間を設けることで、切替後の影響を最小限に抑えることができます。
データセンター移設で重視すべきポイント
移設先データセンターの選定
データセンター移設では、長年にわたり安定稼働してきた実績と信頼性が重要な判断基準となります。実績のあるデータセンターは、設備・運用・障害対応の面で成熟しており、移設後も安心して利用できます。
セキュリティ・運用性の確認項目
移設先データセンターの物理セキュリティや運用体制を確認することも重要です。入退室管理、監視体制、運用ルールが適切に整備されているかを確認し、自社要件に合致しているかを判断しましょう。
サーバー移設費用(代行費用と追加費用の目安)
サーバー移設にかかる費用は、移設規模やシステム構成、業者の対応範囲によって大きく変動します。
一般的に、サーバー移転費用は数十万円から数百万円規模となるケースが多く、作業内容や移設条件によっては、緊急対応や追加設定などの費用が発生する場合もあります。見積もりを取得する際には、基本作業に含まれる範囲と追加費用が発生する条件を事前に確認し、想定外のコスト増加を防ぐことが重要です。
移設先データセンター業者選び(DC基準)
業者やデータセンターを選定する際は、以下の観点を総合的に評価しましょう。
- 実績と信頼性
- セキュリティ対策
- 災害対策・立地条件
- ネットワーク接続性
- 運用・サポート体制
- 環境配慮・サステナビリティ
- 将来の拡張性
セキュアデータセンター®TC4が移転先として適する理由
セキュアデータセンター®TC4は、企業の重要なITインフラを安全かつ効率的に運用することを目的に設計されたデータセンターです。セコムグループが長年培ってきたセキュリティ分野での知見と運用実績を背景に、高い信頼性を提供しています。災害リスクを考慮した立地条件や堅牢な構造、冗長化された電力・通信設備により、事業継続性を重視した運用が可能です。また、クラウド接続や複数キャリア対応による柔軟なネットワーク構成、24時間365日の運用サポート、省エネルギー設計など、多様な企業ニーズに応える体制を整えています。
実績と信頼性
セコムグループの長年にわたるセキュリティ事業の実績を背景に、高い信頼性を誇り、多くの大手企業や公共機関で採用されてきた安定稼働の実績があります。
セキュリティ対策
ISO/IEC 27001(ISMS)、 ISO22301(BCMS)の認証を取得予定とし、物理・論理両面で多層防御を実現。入退室管理には生体認証を採用し、24時間365日の監視体制を構築しています。
災害対策・立地条件
震度7対応の耐震構造を備え、洪水や津波リスクが少ない場所に立地。電力供給や通信回線は冗長化され、事業継続性を確保しています。
ネットワーク接続性
メガクラウド接続等に対応しています。また複数キャリアの選択肢で柔軟な構成が可能です。
運用・サポート体制
専門スタッフが24時間365日常駐し、障害対応やリモートハンズを迅速に提供。高品質な運用サービスの提供が可能です。
環境・サステナビリティ
省エネ設計による低PUE値や再生可能エネルギーの利用など、環境への配慮も徹底しています。
将来の拡張性
ラック増設や電力増強に柔軟に対応できる設計。将来的なシステム拡張やクラウド連携にもスムーズに対応可能です。

